長野県塩尻市でこだわりのギター製作を行う有限会社ティーズギター

トラスロッド折れ修理、交換

弦楽器としては当然ながら、ネックは弦の張力を支えて振動エネルギーをボディに伝える役割を担う、ギターの要となる非常に重要な部分です。
さらにネックやフレットが良い状態になっているかどうかで、弾き心地や音色まで違ってきますので、この部分のメンテナンスを定期的に行うことが、心地よく演奏する為に不可欠と言えるでしょう。
量産品の中には1フレットに対してすり合わせが行われていないものも見受けられます。

これはすり合わせによって1フレットまで削られてしまうと、さらにその低くなった1フレットに合わせてナット溝を調整しなければならなくなり、工程からすると余分な手間が増えてしまうからだと推測されます。コストを重んじるあまり大事な部分をおろそかにしてしまった悪い例ですね。
ティーズギターではネックの幅と長さを持った大きく軽くかつ狂いの少ないアルミチャンネル状の板を使って100分台まで正確にすり合わせをすることが標準になっております。
さらにフレットエッジは弦落ちしない範囲ぎりぎりまで面取りを施し、きれいに磨き上げて仕上げます。指板エッジの処理とあいまって、使い込まれたビンテージギターのように滑らかに手になじむようになり、フィンガリングもスムーズになります。

こちらはやはりエンドアジャストのストラトネックですが、アジャストナットの根本でトラスロッドが折れてしまったものです。オーナーさんも半ばあきらめかけていたようですが、ナットの取り付け位置を1cmほど削り込む事で、見た目の違和感こそあれしっかり機能するようになっています。
ネック裏面真ん中にある埋め跡は、作業の都合上一旦アジャストロッドまで掘り下げた結果ですが、必要最低限の加工で済ませておりますよ。
同様にGibsonタイプのロッド折れも指板をいじらずに修理可能な場合があります。
一般的には指板貼り替え、ロッド入れ替え、塗装などの作業で少なくとも7〜8万円にはなってしまう修理ですが、ダメージも無く、2〜3万円の範囲(状況により)で直りますよ。